OEM受託企業独特の悩み
また、一方で別の問題があります。
OEM受託企業の新商品は、クライアント企業と同じ販路で同じような商品を販売するケースが多く、競合する可能性があります。また、取引先企業と良好な関係であればあるほど、取引先の商品より安く売ることはできません。モラル的にも好ましく思われないでしょうし、場合によっては契約上の問題もあり、うまくいっていたはずのOEM業務の地盤が崩れかねません。ということは、本当はクライアント企業よりも3割安く売れる商品を生み出したとしても、関係が良好であればあるほど、高く売らなくてはいけないジレンマが生じます。こちらの方がブランド認知がされていないのに、です。
このように、OEM業態で製品を卸していた企業が自社の新商品を生み出すには、ユーザーに向けた取り組みだけではなく、クライアント先との関係性も考慮した取り組みが必要になってくるのです。