視点を変えて勝てるところを探す
経済は回復傾向にあると言われていても、下請け業者に対するコスト圧力は引き続き加熱しています。ユーザーが喜ぶ安いものを大量に生産する商売とは別に好調なのが高付加価値を謳った高級商品の販売です。例えば炊飯器。3万円台の商品が売れ筋ですが、少し前に7万円クラスの高級ラインを各社がラインナップしたところ、シニア層に売れ続け、今では7万円クラスでは満足せず10万円オーバーの商品が売れ始めています。実際に数が出るのは3~5万円の商品でしょうが、材質にこだわった10万円の炊飯器を探している少数派に目をつけて、ピンポイントで一本釣りを狙うマーケティングがヒットしたいい例でしょう。これは新商品を立ち上げる際のヒントにもなります。何度も言いますが、同じ商品を作っても売れないなら違う商品を生み出せば良いのです。
前述のクライアント先へ不安の部分でも触れましたが、仮にクライアント企業と同じ商品でガワ(デザイン)だけ変えて売ることになった場合でも、既存の1万円の商品を3万円で販売する商売ができる方法を生み出せば、クライアント企業は1万円の商品を購入したいお客さん、御社は3~5万円の商品を探すお客さんというように、ユーザー層がバッティングしなくなります。
さらに全く別な場所でものを売る。全く別な使い方で、全く違うユーザーに新たな価値を届けることでも、新たな市場を作ることでクライアント企業との関係性を維持したまま、尚且つ競合しない商売が始められます。ただし、これには他社と差別化できる高い技術力と、新しいブランドを演出する必要が不可欠となってきます。